アーバンコーポレイションの不適時開示
春先から噂のあったアーバンコーポレイション。
民事再生の申請と同じ日に爆弾も投げていくとは。
本日(8月13日)民事再生を申し立てた東証一部の会社の適時開示の内容は、かなり問題ではないでしょうか?
これは適時開示(タイムリーディスクロージャー)とは言えません。
全然タイムリー=時宜にかなっていないもの。
問題の開示内容を要約すると,
(1)2008年6月26日に公表した,BNPパリバに割り当てる転換社債型新株予約権付社債の資金(300億円)使途は,短期借入金の返済には充当できず,スワップ契約に基づくBNPパリバへの支払に一旦充当される。
(2)2008年7月11日以降,BNPパリバが新株予約権を行使して割り当てを受けた株式(1株あたり344円)を市場で売却した代金の一部がアーバンコーポレイションに支払われるので,アーバンコーポレイションはこれを短期借入金の返済に充当する予定にしていた。
(3)アーバンコーポレイションの株価が当初の想定を超えて下落したためにBNPパリバは思うように株式を売却できず,本日アーバンコーポレイションが民事再生法の適用を申請したため,BNPパリバとのスワップ契約は反故になり,アーバンコーポレイションは58億円の損失が発生することになった。
取引をごく単純化すると,
(1)転換社債型新株予約権付社債の割当
UC <<< 300億円 <<< BNPP
(2)スワップ契約に基づく支払
UC >>> 300億円 >>> BNPP
(3)新株予約権の行使による株式の割当と資金の払込み(DES)
UC >>> 87,209,302株相当の株式 >>> BNPP
UC <<< 300億円相当の転換社債 <<< BNPP
(4)株式売却代金の授受
UC <<< 売却代金の一部 <<< BNPP <<< 売却代金 <<< 株式市場
BNPパリバが目論見通り株式を売り抜けられたかどうかは分かりませんが,
タダ同然で手に入れた株だから別にどうということはないのでしょう。
一方で,アーバンコーポレイションが結んだスワップ契約の内容を読むにつけ,
悲しくなるほど足下を見られています。
「この難局さえ乗り切ればなんとかなるはず」と考えて,藁にも縋る思いだったのかもしれませんが,選んだ方法は株式市場に対する背任行為に等しいと思います。
Toshi先生が書いておられる「元検事総長さま」は同日に健康上の理由から社外取締役を辞任されています。
元検事総長でさえこの状態ということは,細野祐二氏が糾弾するように「検察官の会計知識」というのは,相当疑わしいと言えるのかもしれません。
もっともこのケースは,「会計知識」というよりも倫理観の疑われる事例でしょうけれど。
それにしても,アーバンコーポレイションの「平成20年3月期決算短信」や「平成20年3月期中間決算短信」の訂正の内容を見ていると,監査法人の対応の拙さが露呈しています。
今回のBNPパリバとの契約については,どこまで監査していたのでしょうか。。。
