この金融危機はSOX法にも影響を与えるんでしょうか?
今週のSan Francisco Chronicleに「SOX法の廃止を」という記事が載りました。
Now, with signs that our economy is moving toward recession, Congress should take this opportunity to repeal the law.
(拙訳)
そしていま,われわれの経済は後退局面にあることを考えれば,連邦議会はこれをSOX法廃止の機会ととらえるべきだ。
発祥の地アメリカでも,SOX法のもたらした様々な弊害が訴えられていましたが,記事ではこんなふうにまとめています。
Sarbanes-Oxley went too far in regulating corporate governance, resulting in at least three unintended consequences.
(中略)
– It was insufficient at preventing insolvencies and accounting shortfalls in companies such as Bear Sterns, Lehman Bros., American International Group (AIG) and Merrill Lynch.
(中略)
– It initiated a movement among smaller public companies to return to private status or merge.
(中略)
– It is resulting in a trend where companies choose to go public on foreign, not American, stock exchanges.(拙訳)
SOX法はコーポレート・ガバナンスに対する規制という当初の目的から大きく外れ,少なくとも以下のような3点の意図しない結果をもたらした。
– 破綻やずさんな会計処理の防止に役立たず,ベア・スターンズ,リーマン・ブラザーズ,AIGそれにメリルリンチといった企業が破綻や別の会社への吸収,政府の管理下に入ることになった。
– 小規模な公開企業が株式を非公開にしたり,他社と合併したりする流れをつくった。
– 多くの企業がアメリカ国内ではなく,海外の証券市場への上場を選択することにつながった。
法案を提出した張本人が,SOX法の成立は拙速だった,もっと違った具合の法律にすべきだったと言っているくらいです。
Rep. Michael G. Oxley, R-Ohio, recently said in an interview with the International Herald Tribune that Sarbanes-Oxley was passed in haste. “Frankly, I would have written it differently. … Everyone felt like Rome was burning.
やれやれ。
あ,「廃止する(repeal)」と「一皮むける(re-peel)」は微妙に違っていました。
(追記)
TechCrunchのこなれた英訳をどうぞ。
ニュート・ギングリッチ元下院議長ら、SOX法の廃止を訴える|TechCrunch:
・ SOX法は、最近のBear Sterns、Lehman Brothers、American International Group (AIG)、Merrill Lynchなどの破綻を防止できず、その原因となった会計のずさんさを指摘することもできなかった。
・ 企業が株式公開(IPO)を果たすまでに、現在平均12年を要している。(SOX法の施行以前は平均5年だった)。その理由はSOX法の要求を満たすためのコスト、いわば隠れた税金が、年間$4.36M(436万ドル)にも達するためだ。(当初はSECが算定した遵法のためのコストは1社あたり年間平均$91,000(9万1000ドル)に過ぎなかった)。
・ 小規模な公開企業は、負担に耐えられず、公開の取りやめや企業合併を余儀なくされている。2006年に、Foley & Lardner LLP法律事務所が公開企業114社を対象にSOX法の影響を調査した。これによれば、21%の企業が公開を取りやめることを検討していた。10%は会社の売却を、8%は他社との合併を検討していた。
・ アメリカ企業はSOX法の負担を回避するために外国の証券取引所に上場している。2005年のロンドン証券取引所の調査によると、国際企業の38%がアメリカで株式を発行することを検討していた。このうち90%は、SOX法の要求する企業内部統制にかかる負担が過大なため、 ロンドン市場に上場することを有利と考えていることが明らかになっている。
・ ギングリッチらは、またSOX法の提案者の1人であるMichael Oxley下院議員が、「率直に言って、今だったら私はあのような形の法案を提出しなかっただろう。みんなローマ炎上も同様の大災厄だと感じている」と語ったことを引用している。









